スバル レガシィ(BH型)試乗記。実用性と速さも兼ね備えた理想のワゴン

1998年、ツーリングワゴンという鮮烈なイメージを植え付けたレガシィがフルモデルチェンジを果たし、BE/BH型として3代目となるモデルがデビューした。先代モデルは、純粋なスポーツカーとしてはなく、セダンやワゴンがあるモデルとしても、一般量産2.0L車としては当時世界最強となる280馬力を発生させるエンジンを搭載したことは、レガシィそのものの存在感を大きく知らしめることを決定づけたのではないかと当時を振り返っても思う。

BE/BH型レガシィについて

そんな先代のレガシィのイメージを色濃く残しつつ、各部を洗練させたのがこのBE/BH型の特徴だろう。280馬力を発揮するエンジンを搭載すること、そしてスバルお得意の4輪駆動を搭載し、利便性という面でも非の打ち所がないツーリングワゴンやセダンの使い勝手。燃費というところは問題かもしれないが、ハイパワーなモデルを求める人にとってはさほど重要ではないだろう。

エンジンはスバルを代表する名機として、先代のスバル WRXに搭載されるのを最後に引退してしまったEJ20を搭載し、ターボエンジン搭載モデルにはシーケンシャルツインターボが組み合わされる。トランスミッションには4ATと5MTが用意されている。その他にも3.0Lの水平対向6気筒エンジンを搭載したモデルも存在する。

ポルシェとの共同開発によるブリッツェンという限定モデルが用意されたことや、STIとのコラボレーションモデルとして、S401という限定モデルが用意されたのもこのBE/BH型レガシィの特徴だろう。

BE/BH型レガシィをドライブしてみて

スバル車特有の始動時のセルのサウンドを発生させ、EJ20が目覚める。このモデルではまだ等長等爆のエキゾーストマニホールドとなっていないので、アイドリング時のサウンドもボクサーエンジン特有のリズムを刻んでいる。実際にドライブしたのは、最上位グレードである GT-B E-tune II だ。

当時2.0L世界最強を謳ったEJ20は、BE/BH型となっても全く色あせてはいない。今となってはターボラグという言葉は死語となっているが、当時としてもこのレガシィの低回転域の扱いについてはターボラグがあるから不便だというような印象を抱いたことは全く無い。

そして一度アクセルを踏み込めば、ターボ特有の吸気音や高周波なタービンが回るサウンドを発生させながら怒涛の加速を見せつけてくれる。この加速については爽快そのものだ。

実際の利便性については、最大で5人が乗車できることに加え、大きな積載性を兼ね備えている。普段使いとして活用するには、これ以上に何が必要なのか思い浮かぶものがない。さらに四輪駆動であることで、雪道でのドライブについても全く不満が無い。レガシィとウィンタースポーツとの相性は抜群だろう。

レガシィに乗っていることで、インプレッサ WRXのWRCでの活躍を疑似体験できるということも、ドライブしている演出としてとても魅力に感じられる。

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