NDロードスター 試乗記、モデルチェンジから7年が経過しても売れ続ける理由とは?
2015年にフルモデルチェンジによって登場したND型マツダ ロードスターだが、驚くべきことに7年もの販売期間が経過している中、販売が上向いているというのだ。歴代のロードスターと比較しても、NB型、NC型の販売台数を超えているというのも注目すべき点で、より軽量にそしてコンパクトに仕立てられた原点回帰とも呼べるND型ロードスターに込められた哲学によるものかもしれない。
いずれにしても、ロードスターが世界のスポーツカーのマスターピースであることは間違いないし、ND型においてはロードスターの中でもより純粋に傑作であるということ、販売台数はその現れだろう。
2015年のデビュー以来、相対的にスポーツカー市場において、大幅な車の進化があったかというと電動化などの流れによりピュアさは薄まっているかもしれない。そんな流れを様子見している日産陣営のスポーツカーはGT-RにしてもフェアレディZ(型式をそのままにしたフルモデルチェンジ)を含め異例のロングライフとなっている。その中でロードスターのピュアなスポーツカーである魅力は更に増している気もしないでもない。
NDロードスターについて
NC型と比較すると、より小さくコンパクトに仕上げられ、車体重量もグレードによっては1tを切るほどの軽量さに仕上げられたのが大きな特徴と言えるだろう。NC型が大型化してしまったのも、プラットフォームもRX-8と共有としてしまったことによるものになるが、これはスポーツカー冬の時代という言葉があるほど、スポーツカーが売れなかった時代であることも起因しているだろう。
ND型ロードスターではプラットフォームを新規で開発されたことで、自由度の高い設計や本来やりたかったことを実現できたのであろう。日本仕様では1.5Lのエンジンが搭載され、これもNC型から比較すると2.0Lという排気量からダウンサイジングされている。グレードや販売地域によっては2.0Lエンジンが搭載されている。
2016年には、リトラクタブルハードトップを備えたRFが登場。NC型でも同様にリトラクタブルハードトップを備えたモデルが存在していたが、これを踏襲した形となる。NC型では、通常のモデルとは一切かわることのないオープン性を備えていたが、このRFではルーフトップのみを格納できるタルガトップとも表現できるような仕様となっている。
NDロードスターをドライブしてみて
個人的には、ハイパワーなモデルに惹かれることが多く、ドライブするにあたってもロードスターのような軽量さをウリにした車をドライブするとなると、非力さに不満があるかもといった考えが頭をよぎる。
ロードスターと面と向かいあうと、最近のマツダ(とは言っても7年も経過しているのだが)を象徴とする流れるようなボディラインが美しいと感じられる。クルマそのものの存在感がぎゅっと密度のあることも魅力的だ。車に乗り込むと、その時点で車のコンパクトさを感じられる。車体幅を気にすること無くドライブできるぞという期待が膨らむ。ドアミラーが電動でなかったので、少しの時間開け方を探してしまったことはご愛嬌だ。
エンジンを始動させタイヤを一転がししただけでも車の軽さが伝わってくるのだが、実際にスピードを上げるごとにその軽快さは楽しみへ変化していく。ちょっとしたワインディングでアクセルを全開にしたときに、やはり加速はこんなものかと感じてしまうところもあるのだが、コーナリングスピードについては圧倒的に速く感じる。
車体幅の間隔がリニアなため、左コーナーを攻めるときに縁石のギリギリまで寄せられる感覚も新鮮だ。そのエンジンパワーから、アクセルを全開にしている時間が長いことも、今この瞬間車を乗りこなしているというような感情はとても新鮮だ。決して運転が上手くなったわけでもないし、スリリングさがあるわけでもないのだが、楽しいことは間違いない。
マニュアル、オートマの双方をドライブした機会があるのだが、やはりマニュアルトランスミッションモデルのほうがドライブしている感が強く楽しいことは間違いないだろう。