【試乗記】今あらためてZ34型フェアレディZの真価を問う!

日本を代表するスポーツカーである日産 フェアレディZが2022年4月にRZ34型へモデルチェンジを果たしたことは記憶に新しいだろう。モデルチェンジとは言っても、2008年に登場したZ34型をリフレッシュしたモデルであることは事実ではあるのだが、その8割もの部品が新しくなっているとのことで、実質的にフルモデルチェンジといった状態であるようだ。

その生まれ変わったRZ34型のフェアレディZではなく、ベースとなったZ34型へフォーカスを当ててみる。2008年に登場したZ34型だが、その14年前の基本的な骨格のまま2022年の新車が販売されるという、これもあまり例のない状況なのだが、Z34型が優秀であったからこのようなことが実現したのでは?という疑問も湧いてくる。

そんな疑問を解決するために、改めてZ34がどのような車だったのか振り返りつつ、さらに500kmのドライブから何を感じることができたのか、この記事では紹介していきたいと思う。

Z34フェアレディZについて

前述したとおり、2008年にデビューしたZ34型のフェアレディZだが、初代のS30型から数えて6代目のフェアレディZとなる。先代のZ33を踏襲したデザインやメカニズムだが、その中身はZ33と比較するとよりパワフルかつ洗練されたものである。搭載されるエンジンはVQ37VHRと呼ばれるV型6気筒エンジンを搭載し、出力は標準車で336馬力、NISMOでは355馬力というパフォーマンスを発揮している。トランスミッションは6MT、または7速ATが組み合わされるが、6MTでは世界で初めてシフトダウン時に自動で回転を合わせてくれる機構が搭載された。

ボディのメカニズム面では、Z33と比較するとよりショートホイールベースとなり、コーナリング時の軽快さを求めた設計となっている。

Z34フェアレディZを試乗してみて

じっさいにZ34型のフェアレディZを自分の手で操ると、乗り込む前は気になっていた車幅の広さなどを感じること無く自然に扱えるというのが第一印象だ。アクセルを踏み込んだときの豊かなトルク感も、街乗り時の車線変更では圧倒的に有利な加速をもたらしてくれる。

加速という一言の中に、VQ37という稀代の自然吸気V型6気筒エンジンの優秀さもドラマチックに伝わってくる。世界を見ても3.7Lという大排気量で7000回転以上回る自然吸気のV型6気筒エンジンはこのエンジンだけだろう。V型6気筒エンジンにたいして多くの人がどのようなイメージを抱いているのかは気になるところではあるのだが、自分で感じたことは想像していたよりもスムーズで振動がなく気持ちいいという印象だ。

出力という面では、A90型のスープラで380馬力の直6ターボエンジンと比較すれば劣ってはいるものの、パワーの盛り上がりの感覚の気持ちよさについてはZ34型のほうが勝っていた気がするのは興味深い体験であった。過給器の有無が一番の違いではあるが、自然吸気の良さを改めて確認できた機会でもあった。

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